お客様と一緒に考え、課題を解決することをモットーに商品開発・提案を行います。1,000の用途を持つと言われる粘土の可能性を弊社の技術により引き出し、お客様に適した商品をご提供いたします。
基礎研究、応用開発、商品提案という新商品開発プロセスの縦の連携を、大学・公設研究機関との共同研究、お客様への提案営業・共同研究により実現いたします。また、応用開発を担ういわき研究所と分析・基礎研究を担う黒磯研究所の横の連携により迅速な開発を行います。
粘土の特性を活かしたコア技術をベースに応用展開を図り、弊社の製品は様々な分野で活用されています。特に近年、コア技術・サブ技術の組み合わせによる新たな応用開発が進んでおり、機能材料分野を中心に粘土の用途は益々拡大しています。
粘土鉱物は有機物に対する親和性が高いため、原始の地球において生命の起源を生成したともいわれています。
粘土の表面は触媒能や吸着能を有することが知られていますが、特に近年では海中の熱水噴出孔において粘土の表面に有機物が吸着され、生体分子の生成・集積・重合などの反応が生じたと考えられています。一般に、このような反応場としての表面はMagic Surfaceと呼ばれており、生命誕生の謎を解くカギとなるかもしれません。
医学の発展は検査機器および新薬の開発に支えられております。新薬の開発プロセスは対象の構造解析から始まりますが、構造解析を行うためには結晶化した材料が必要であり、未知たんぱく質が対象の場合は、その結晶化条件の探索に膨大な時間と労力が費やされております。
そこで、生命の起源ともいわれる粘土鉱物の特性を活かして、タンパク質の結晶化を促進・コントロールすることができれば、新薬開発のスピードを飛躍的に高めることができるのではと我々は考えました。
研究は東京理科大学の協力を得て、材料開発と評価試験の同時進行で行われました。
生命の起源という意味では天然の粘土が想起され、弊社では世界的にも特異な特性を有する天然粘土を多数保有しておりますが、特性を確実にコントロールし、場合によっては狙った特性を得るために材料そのものをデザインする必要があることから、今回は弊社の独自技術でもある合成粘土を材料として開発を行いました。
タンパクの種類 | 分子量(kDa) | 等電点 | 電荷 | 結晶化日数(日) | |
---|---|---|---|---|---|
添加なし | アクセルコア | ||||
Aprotinin | 6.5 | 9.2 | + | 7 | 2 |
Avidin | 14.3 | 9.7 | + | 5 | 1 |
Concanavalin A | 25.6 | 6.0 | + | 26 | 13 |
Lysozyme | 14.3 | 9.3 | + | N.C. | 22 |
Thaumatin | 22.2 | 8.3 | + | 55 | 25 |
Trypsin | 23 | 10.1 | + | N.C. | 34 |
Albumin | 66 | 4.7 | - | N.C. | 14 |
Catalase | 240 | 5.5 | - | 12 | 5 |
Gulucose isomerase | 172 | 5.0 | - | N.C. | 2 |
Proteinase K | 28.9 | 8.3 | - | N.C. | 8 |
L-Lactate dehydrogenase | 32.8 | 5.9 | - | N.C. | 5 |
Xylanase | 21 | 9.0 | ± | 8 | 2 |
参考文献
Heterogeneous nucleation of protein crystals on fluorinated layered silicate. PLoS ONE. Vol6, Issue7, e22582, July, 2011.
タンパク質の結晶化はこれまで踏み込んだことの無い未知の領域であり、様々な条件での実証や材料開発へのフィードバックなど、多くの困難がありました。しかし、研究員の新薬開発への貢献に向けた高い意識と未知の領域に対するチャレンジャー精神によりこれを越え、新商品「アクセルコア」は完成しました。
アクセルコアを結晶化プロセスに加えることにより、従来結晶化できなかったタンパク質を結晶化でき、また、結晶化に要する時間も大幅に短縮されました。アクセルコアの可能性はまだまだ発展途上です。今後、特定のターゲットの結晶化を選択的に促進できる薬剤、より一層広範なターゲットに対して有効な薬剤など、ニーズに合わせたカスタマイズを経て、アクセルコアは成長していきます。
弊社はこれからも粘土鉱物の可能性を追求し、この特異な性質を持つ粘土により、社会に貢献していきます。
黒磯研究所ではベントナイトに関する各種評価試験の受託分析を随時受け付けております。
分野 | 項目 | 保有・適用機器 |
---|---|---|
ベントナイト特性 | 水分 | |
pH | ||
導電率 | ||
メチレンブルー吸着量 | ||
浸出陽イオン量 | ||
陽イオン交換容量 | ||
化学組成 | 蛍光X線分析装置 | |
鉱物鑑定 | 粉末X線分析装置 | |
示差熱分析 | 示差熱熱分析装置 | |
電子顕微鏡表面観察 | 走査型電子顕微鏡 | |
電子顕微鏡組成分析 | エネルギー分散型X線分析装置 | |
粒度分布(湿式・乾式) | レーザー回折式粒度分布計 | |
音波振動式全自動ふるい分け測定機 (ロボットシフター) |
||
真比重 | 乾式自動密度計 | |
比表面積 | 比表面積測定装置 | |
イオン定量 | 原子吸光分光分析装置 | |
白色度 | 分光光度計 | |
イオン定量 | イオンクロマトグラフ | |
ζ電位 | ゼータ電位計 |
蛍光X線分析装置
走査型電子顕微鏡
ベントナイトに関連する専門分野の受託試験・分析も常時実施しております。
分野 | 試験項目 | 主な試験内容 |
---|---|---|
鋳物生型砂 | 生型砂試験 | コンパクタビリティ |
湿態抗圧力 | ||
表面安定性 | ||
通気度 | ||
水分凝縮層引張強度 | ||
シリカプログラム | 全粘土 | |
活性粘土 | ||
強熱減量 | ||
金属分 | ||
フッ酸可溶分 | ||
粒度分布 | ||
でんぷん残存率 | ||
土木・建築基礎 | 粘度試験 | B型粘度計 |
FANN Viscometer | ||
リネン粘度計 | ||
土質試験 | 土粒子の密度 | |
含水比 | ||
液性限界、塑性限界 | ||
透水試験 | ||
締固め試験 | ||
ペット | 猫砂試験 | 見掛比重 |
猫砂固まり試験 | ||
脱臭力 | ||
吸水率 |
また、受託試験・分析の他にも生型砂管理技術者講習会を開催しており、既に30年、120回以上の歴史のある講習会となっています。
生型砂管理技術者講習会の①
生型砂管理技術者講習会の②
いわき研究所では各種造粒、精製粘土・合成粘土の受託開発を随時受け付けております。
分野 | 項目 | 主な保有・適用機器 |
---|---|---|
化粧品 塗料増粘剤 |
親油化処理 ケイ酸塩鉱物合成 複合化 |
親油化処理プラント |
水熱合成装置 | ||
真空乳化機 | ||
バッチニーダー | ||
ホモミキサー | ||
樹脂フィラー 粘土膜 触媒 吸着材 |
イオン交換 複合化 |
イオン交換装置 |
遠心混合機 | ||
湿式粉砕機 | ||
濃縮装置 | ||
造粒 コーティング |
押出造粒 撹拌造粒 流動層造粒 |
縦型/横型押出造粒機 |
高速撹拌造粒機 | ||
流動層造粒機 |
イオン交換用パイロット設備
親油化処理プラント
当社の要素技術のうち、高付加価値化の参考例として「造粒」、当社製品カスタマイズの参考例として「イオン交換」について紹介いたします。
粉製品を粒状にするだけで、機能性を付与できます。
ご要望に対し、製法選定、処方案作成から対応いたします。
トルエンへの分散比較
左:未処理品 右:有機処理品
ベントナイトの主成分であるモンモリロナイトは陽イオン交換能を持ち、陽イオンの種類を変えることで、特性を変化させることができます。また、交換イオン種によっては様々な特性を付与することができます。
当社ではイオン交換カラムを用いたイオン交換粘土の開発を長きにわたり研究しており、中規模パイロット設備も有しております。
また、有機溶媒に分散可能な有機処理粘土もイオン交換によって調製できます。有機処理粘土は製品ラインアップ化していますが、それらが使用できない場合は、有機処理粘土の試作品を開発し、提供しています。
下記手順を基本フローとして対応いたします(短期受託製造を除く)。
開発内容ヒアリング
予備検討期間を設けます
受託仕様書提出
見積書提出
受注
試作品作製
試作品提出(納品)
お問い合わせの段階で詳細を開示頂く必要はありません。受託開発を進めていくうえで開示が必要な場合が多いため、受託仕様書に秘密保持条項を記載していますが、別途、秘密保持契約を締結して対応することも可能です。