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樹脂フィラー

用途概要

モンモリロナイト結晶像

モンモリロナイト結晶像

粘土(スメクタイト)は結晶の形態が二次元に広がるシート構造をとります。この特性により有機高分子材料中にナノレベルで分散させることで高付加価値化することができます。

たとえば樹脂の力学特性、ガスバリア特性の向上、あるいは難燃性や耐熱性の付与を示すことから様々な分野で応用が進んでいます。

期待される効果

樹脂フィラーとしての粘土の添加量は数%程度です。一般的には粘土の分散存在下でモノマーを重合させる重合法、あるいはポリマー中へ直接、粘土を分散させる溶融混練法によって行うことができます。その際、粘土と樹脂との相性、および機械のスペックにも依存しており最適化が必要となります。また、ポリマーと粘土の双方に親和性のある分散媒を用いて混合することで比較的容易にポリマー中への粘土の分散は可能となります。

一方、粘土含有量をより多くすることでさらに粘土ならではの特性が強調され、バリア性、耐熱性、寸法安定性などの機能を発揮できます。

※ガスバリア性については、樹脂と粘土を分散させた塗工液を作製し、コーティングすることで迷路効果を発揮し、高いガスバリア性を付与することができます。

粘土含有量比較表

粘土含有量を増やしていくと、粘土粒子をより多く積層することができるため膜形成時のガスバリア性や熱線膨張係数、熱変形温度、耐熱性、難燃性が強くなります。一方で、透明性や剥離強度、曲げ性は粘土含有量を増やすと低くなる傾向があります。

一例として以下にガスバリア性と樹脂に対しての粘土配合量の関係を示します。バリア性の変化は樹脂の種類(バリア性など)、および粘土の種類(アスペクト比など)によっても異なりますが、添加量の増加とともに向上し60~80wt%で最大値を示す傾向があります。最大で樹脂単独に比べ105倍向上したケースもあります。

粘土配合量の関係図
処方 クニピアーF+ポリオレフィン系水系エマルジョン+水性樹脂用架橋剤
分散方法 ディスパ―混合および遠心脱泡
塗工方法 PET基材(12.8μm)へキャスティング後乾燥
コート厚 15μm(基材+粘土膜)
水蒸気透過率 (40℃、90%RH、GTRテック)
酸素ガス透過率 (25℃、ドライ、OX-TRAN2/21)

推奨、非推奨の樹脂種

添加する樹脂には粘土(スメクタイト)と相互作用する極性部位がある方が分散しやすいといわれています。分散しやすい樹脂としては高極性のポリアミド(ナイロン)、ポリウレタン等があります。逆に、低極性であるポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)では分散難易度が高いです。ポリエステル、アクリル、エポキシなどは、ポリアミドとポリオレフィンとの中間程度の分散難易度と想定しています。

水素ガスバリア

水素社会に向けた水素遮蔽技術は、貯蔵、輸送、利用のあらゆる場面で需要が見込まれます。当社では、水系粘土鉱物を用いて高温領域でのバリア性に特徴をもつ水素ガスバリア向け塗工液を開発いたしました。100℃を超える領域に強みがあり、ナイロンの2.5万倍のバリア性を示します。

水素遮蔽技術の成果

Heガスバリア性の温度性依存比較

Heガスバリア性の温度性依存比較表

有機化粘土の使用時の注意点

有機化ベントナイトおよび有機合成ヘクトライトでは、低極性樹脂、溶媒への分散性が向上しますが、バリア機能がない有機成分が最大50wt%、70vol%同時に入ります。従って、粘土鉱物複合化によりガスバリア機能が逆に損なわれる例も報告されています。

有機化粘土は様々な分野で応用が進んでいます

取扱い製品

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工業用途

※左右にフリックしてご覧いただけます。
製品名 分類 適した主要分散媒
クニピア-F 精製ベントナイト
クニピア-G 精製ベントナイト
クニピア-G4 精製ベントナイト
スメクトン-SA 合成サポナイト
スメクトン-ST 合成スチブンサイト
スメクトン-SWN 合成ヘクトライト
スメクトン-SWF 合成ヘクトライト
クニビス-110 有機ベントナイト 低~中極性有機溶媒
クニビス-127 有機ベントナイト 低~中極性有機溶媒
スメクトン-SAN 有機合成ヘクトライト 低~中極性有機溶媒
スメクトン-STN 有機合成ヘクトライト 中~高極性有機溶媒
スメクトン-SEN 有機合成ヘクトライト 高極性有機溶媒

ガスバリア用途

※左右にフリックしてご覧いただけます。
製品名 製品形状 設計コンセプト
クニピア-F 粉体 酸素ガスバリア用粘土
クニピア-G フレーク 酸素ガスバリア用粘土
クニピア-RC-G ペースト 水蒸気バリア用耐水化粘土

よくあるご質問

Q

様々な樹脂に混ぜていきたいのですが、推奨はありますか?

A

汎用グレードでの天然粘土ではクニビス-110、合成粘土においては各種取り揃えていますので、お気軽にご相談ください。

Q

粘土はどのくらい添加すればよいですか?

A

特性によっては数%の添加でも向上します。樹脂の特性である溶融成形性を考慮すれば10%程度となります。
一方、溶媒存在下での分散系においてはさらに高濃度化は可能で、70%程度まで添加できます。

Q

こちらから自社向けの有機修飾剤を指定したいのですが、製造は可能ですか?

A

先ずは受託開発品としての試作品が提供可能です。必要に応じて、その他特殊処理も対応が可能です。

COMPANY

グループ会社

クニミネマーケティング株式会社
関ベン鉱業株式会社

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